餃子×6+ビールと辛味チキン+プチフォッカ

趣味とはなんだろうか。

『仕事ではなく、専門でもないが日常的に関心を向けているもの』とか?

ここまで書いたところで『日常的である必要はないな』とも思った。


映画館が好きだ。

どでかい音とでっかい画面に圧倒されて、たとえ退屈に感じるシーンがやってきてもスマホを見ることはできず、半ば強制的に視聴させられる環境、に自ら入り込んでいるという妙な具合が好ましい。

しかし映画館に行く頻度は月に一度未満。そして映画館に行く以外の時間に『映画館に行きたいなあ』と考え続けているわけでもない。

僕は映画関係の職に就いてもいなければ映画の学校も通っていないから冒頭の『日常的に』以外の部分は満たしていると言える。


音楽が好きだ。

クラシックもプログレもポップスもジャズも民謡も合唱もアニソンも未就学時代から日常的に聞いてきた。そういった他ジャンル同士が世代を重ねて合流して新しい情報の圧となって耳から入り込んでくるのは心地よい。

しかし外国語のタイトルとアーティスト名は一向に覚えられないし、覚えたとしてもタイトルとアーティスト名が一致することはごく稀だ。バンド構成なんかも覚えられる気がしないし覚える気もない。


そういえば、ここ2年ほどロクに追えていない好きなバンドの最新アルバムリリース記念ライブに行ったことがある。演奏されたうちのほとんど曲名がわからなかったが楽しんだ。(別日に行ったニガミ17才のライブは新曲ツアーではなかったから全て曲名もアレンジもわかった。それも非常に楽しかった)


本が好きだ。本屋が好きだ。本を買って、読み終わった本を売ったり譲ったり泣く泣く捨てたりしてまた買う。その繰り返し。本屋は楽しい。遊園地の遊び方を知らずに20年以上の月日を重ねてきた僕にとって『遊園地』という言葉は巨大な本屋の方を想像しやすい。


これらは紛れもなく専門でも仕事でもなく関心を寄せている分野だが、これらを書くということは『趣味:映画鑑賞、音楽鑑賞、読書』と書くことに他ならず、つまり何も書かないことに他ならない。

 

 

 

『趣味』の2文字、その右横の空白を睨み続けて体感で2週間は経った。

1週間ほど前に上のきょうだいから送られてきたフォルダだ。「今年入籍するので事前にお互いの両親祖父母で顔合わせをしたい。出席者の簡単なプロフィールを作るから趣味と食の嗜好を教えてくれ」という連絡とともに送られてきたフォルダ。


出席が両親祖父母であれば一見僕には関係ないことのように思えるが、我が家(海田家)には父が不在のため、恐ろしいことに人数合わせで僕が出席する事態に追い込まれてしまったのである。社会性という社会性をあらゆる道の側溝に捨てて歩いているこの僕が出るくらいなら人数なんか合っていなくてよさそうなものだと思うが、仮にも憎からず思っている2親等からの頼みなので無下にすることもできずこうして趣味を考え込んでいる。


奇を衒って痛い目に遭うのは想像に難くないが、かといって映画鑑賞だの読書だのと書いてお茶を濁すのも避けたい。コーディングにしておくか。大学で専攻外のコーディング体験を受けていたら中学生レベルの英単語につまづいてエラーにすらならないことに軽く絶望し、(珍しくもないことに)なんかもう普通に死にたくなったので最近はデュオリンゴで学んでいる。


趣味:日高屋サイゼリヤの最高オーダー計画じゃダメ?