採血してから半日経ってもまだ左腕が怠く感じる。
血が透明な管へ吸い上げられていくのとともに体温が下がる感覚は、スプレー缶に穴を空けた瞬間みるみる冷たくなっていくさまを思い起こす。
自分はスプレー缶をそのまま捨てていい区域に住んでいたからやったことないけど。同じ原理の実験を義務教育の理科の時間にやった気がする。気がするだけで、身についてはいない。
恥ずかしい話だがいまだに注射が苦手で、必要に迫られたとき以外の接種は避けてきた。
そういえば、あるときを境に『注射の針ってこんなに細かったっけ?』と思うようになった。おそらく毎回思っている。年に一回やるかどうかなので『毎回』といっても大した数ではないけれど。
病院を出て喫茶店に入ると隣にめちゃくちゃ後鼻漏の鼻すすりをし続けている人がいてめちゃくちゃ気になり続けた。
黄砂と花粉の季節、来ている。