意味を探ってはならない

夕方に道を歩いていた。

50メートルほど前方を一人の小学生が歩いていたが、動きが変だ。指の動きを注視したところ、どうやら道路傍に積もった雪山に何か描いているらしい。

 

歩行にあわせてランドセルを揺らしながら何度も雪山に暖かそうな手袋をなぞらせる姿に『なんだか無邪気で良い光景だなあ』としみじみ思う。


そうこうしているうちに小学生との距離が縮まる。隣を通り過ぎるとき、ちらっと雪山を見てみた。

 

等間隔に『大人』という文字がいくつも並んでいた。

歩くスピードを早めた。