机をガタつかせながら

その日は約束の時刻まで1時間以上あったので、近くにあったサンマルクカフェに入り時間を潰すことにした。

 


アイスカフェラテでもよかったが、道中の暑さに辟易した身体には冷えた甘味を与えたい気持ちが勝った。疲労が癒える程度の甘さがあって且つ甘すぎないソフトクリームが食べたい。

 


メニュー表に書かれたパフェの欄を見る。モンブランパフェの写真に添えられた手書きの『控えめな甘さとクッキーのザクザク食感』という文言を信じて注文することにした。

 


サンマルクカフェでパフェを食べるのは久しぶりだ。

朧げな記憶を辿れば確か以前までは所謂パフェグラスに入った、今しがた注文したものよりも百円ほど安価な品ではなかっただろうか。背の低い磁器性のうつわに入った今の姿はパフェというよりはトッピングが豪華なソフトクリームといった印象だ。

 


そういえば最近サンマルクカフェの前を通る時、無意識下で目にしていた店頭メニュー看板にあのパフェグラスはなかった。店内に入ってメニュー表をよく読むまで、パフェは販売終了したものだと思っていた。

 


なぜ弁明じみた姿勢を取り始めているのか自分でもわからない。

店頭のメニューに載っている『トッピングが豪華なソフトクリーム』の存在は認識していたのだが、パフェとして認識していなかった。

 


対象が不明な弁明はこのあたりにして、まあ今の姿はあまりパフェっぽくないなと思う。

低いし。パフェとしては変。

 


パルフェというものがあった気がする。パルフェってなんだっけ。

 


今回の日記は一度手帳に書いたものをわざわざキーボード入力している。持てる全ての電子機器の充電残量が危ういからだ。

そういうわけで手書きしていると先ほどの『パルフェって』の『っ』が『ッ』になりそうになる。不思議で何回か試したが全部『ッ』になった。変だ。変2。

 

 

 

果たしてこういう取り止めのない思考の断片を無理矢理貼り合わせたものも日記に含まれるんだろうか。今更だ。

 

 

隣席の高校生が発した笑い声に紛れてモンブランパフェはやってきた。

クッキーがザクザクでクリームは予想より甘かったが甘“過ぎ”ないことは確かなので、あの手書き広告は概ね正確だったと言える。
たまにこうして旨いものを食べたいし、旨いものを食べたら何か書いておきたい。

 


こうしていると、あー、これは完全に何も思いつかない内に書き出してしまったケースだ。よくやる。頻繁にやる。毎日やる。

 


手のスピードよりも先に何か思いついたら、まるではじめからこういうことを書きたかったのですといった風に続けてみせるのだが、今回は無理だった。


しかもわざわざ改めて文字入力しているのが余計に滑稽だ。

 


ここで今更だということを繋げて『今更2』で締めればさっきの変2と併せて取り繕えた気がするが、もう遅い。今更2。