犇めき合いの旅情

日頃、何か見つけたり気づいたり思いついたことを書き留めるようにしている。媒体はスマホのメモアプリであったり手帳であったり、時々鞄に紛れ込んでいるメモ帳であったりさまざまだ。

考えていること全てを書き起こそうと思えば大変な速度と体力を求められるので、ひと言ふた言あるいは簡単なイラストを、気楽な気持ちでもって筆(指かボールペン)を走らせている。

 

昨年東京へ出かけることがあった。特に目立った目的があるわけではない。地元では滅多にお目にかかれないような雑多に入り組んだ路地裏を撮影したり、気になる劇場やギャラリーでその日催されているものを適宜楽しむ旅行だ。

 

9月のまだ暑い頃だったから移動はほとんど電車に任せることにして、窓の外で流れゆく景色をぼんやりと眺めていた。

普段己が存在していない町はどこも新鮮で面白い。変わった形の建築物を見つけ次第脳内で二つ名をつける遊びも随分上達した。

 

そういえば、こんなにも愉快な視覚情報を得ているのにメモを取っていない。旅の高揚感で普段の癖をすっかり忘れていた。

慌ててメモアプリを開き、通り過ぎて行く駅の姿を見て思ったことを思ったままに打ちこんでいく。

 

 

下記の文言はその時のメモをそのまま貼り付けたものだ。

 

 

 

久我山には集合墓地の墓ぐらい自転車がある