9月から12月中旬にかけて仕事の予定を隙間なく詰めに詰め込んだ私は年末たる今月末に友人との予定を入れに入れ込んでいる。
というわけで今年読んだ本と最近途中まで読んだ本の話をする。
まずバビロン。野崎まどのバビロン。『バビロンー女ー』『バビロンー死ー』『バビロンー終ー』で全三巻完結のバビロンである。
バビロンという存在について、出会いは二年だか三年前だかのプライムビデオだった。アニメを全話見た結果大ハマり、ドはまり、「あなたの人生に影響を与えた作品を40本上げてください」と言われたら14本目に挙げるくらいには心震わされた。
その後、原作者の野崎まどによる小説(最新作のタイトルが『小説』なので紛らわしい。こちらはまだ購入できていない)『タイタン』を読み、「あなたの人生に~」と言われたら22本目に挙げるくらい好きになった。
もうメロメロ。SVで選んだのがクワッス♀だったけどその利をあまり活かせなかったのは不甲斐ない記憶です。
『御三家の♀は珍しいらしい』と聞き齧った途端何かしたくなったけど、ゲーム全般に明るくないので何の戦略も思いつかないし調べて実行するほどの熱意もない。無念。
で、
さらにその後、タイタンの世界観構築と人の描き方に現実を見る目すら制御されながら、パーフェクトフレンドを読みかけて少し合わない気がして積んだり、knowをただなんとなく積んでという日々を送っていたら
ある日バビロン全三巻が降って湧いた。
降るだけに留まらず、湧くだけに留まらず、降って湧く、というこの表現について、心底からの羨ましさを覚えてやまない。
おのれも降って湧きたい。スネークマンショーのコントが収録されたアルバムのジャケ写みたいに増殖したいものだ。
ストーリーについてはアニメでの目立った改変もなかったらしく、知った物語が文字で紡がれていた。一部の異なる部分も『あり得た』分岐を見れたというお得感すらある。
主人公と敵の関係性から大幅に改変した結果、打ち切りのような終わり方になった挙句どう考えても二期への道筋が絶たれている大好きな漫画原作のアニメを思い出さないわけにはいかず、ちょっといじけるくらいには完璧なアニメ化だったと思う。
何より、小説ならではの仕掛けが美しかった(この末尾についてはもう少し考えたい。明らかに言葉探しを欠いた。そのうちこっそり編集するだろう)。
二巻目のバビロンー死ーの最後のページを見たときに薄々予測できることがあり、バビロンー終ーのラストページで溜息が漏れる。それはもう漏らす。
ページまたぎの文章を全巻同量に揃える、なんて言ってみることは簡単だが本当に凄い。自分のブログの字数目安すら碌に計算できない人間は、もうただ首を垂れて曲世愛の声が”入って”くるのを待つだけの木偶人形になることしかできない。
あとは例の点線。アニメでいうところの7話。タイトルが『最悪』。リアルタイムで見ていた人にしかわからない、年末放送回ならではの内容とは関係ない絶望もあったというあの回。アニメも嫌な演出(賛辞)をしていたが小説も同様に仕掛けていた。本当にいやな気持ちになる。嬉しいことこの上ない。
知人からたまに揶揄い交じりに言われるが、嫌な気持ちになる作品=好きな作品ではない。嫌な気持ちになる作品のなかにも好き嫌いはある。バビロンは大好き。ボーおそも好き。ミッドサマーは普通。宝石の国は嫌な気持ちにならないし大好き。
そこそこ長い付き合いになる友人がアニメバビロンをリアルタイムで見ていたと知ったとき、好きな作品を語れる喜びと、苦しみを味わっていたことへの嫉妬らしき感情が同時に降って湧いた。増殖。
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バビロンへの思いを書いていたら明日までにやるべきことが絶対に終わらない時刻になっていたのでここまでとします。